大麻合法化後に未成年のアルコールとタバコの使用率が「著しく」低下したと連邦資金を使った研究が明らかに

大麻合法化後に未成年のアルコールとタバコの使用率が「著しく」低下したと連邦資金を使った研究が明らかに

また新たな連邦政府の資金提供による研究で、大麻の合法化が未成年に「代替効果」を与え、アルコールとたばこの使用が「著しく」減少していると発表されました。さらにこの研究は、大麻の合法化後、未成年のため購入出来ない層の間では使用が増加していない結果が出たことから、【合法化したら未成年の使用が増加する】と言う大麻合法化反対派の主張を真っ向から否定する形となりました。

この研究は、【Journal of Psychoactive Drugs】に掲載されたもので、2016年にカリフォルニアが成人向けの大麻使用を合法化する前後に、ロサンゼルスに住む18〜20歳の人々を対象に行われた調査を元にしています。合法化前に選定された172人の観察対象達は2014年から2015年の間にインタビューされ、合法化後の139人の観察対象達は2019年から2020年にかけて調査されました。

研究者たちは、「合法大麻市場が出来たことによって未成年の大麻使用の増加が起こる可能性があったたにも関わらず」、合法化が観察対象者の中で「大麻の使用頻度の増加にはつながらなかった」と述べました。ただし、成人向けの使用の合法化後は、大麻の摂取方法がエディブル(大麻を含有した食品)にシフトしている傾向が見られると指摘しました。

研究は、「他の合法な物質(アルコール、タバコ)の使用に関して、合法化後の観察対象者では合法化前の観察対象者と比較して使用日数が著しく少ないことを観察しました」と述べています。これは、「大麻がアルコールやタバコを接種させたくなくする作用がある、もしくは大麻がノーマライズ化している社会的な文脈の中でアルコールやタバコへの態度の変化を示唆している可能性がある」と述べられています。

また、米国立薬物乱用研究所から資金提供を受けたこの研究は、大麻以外の違法および処方薬の使用に関する変化が、「合法化が他の薬物使用の増加につながるだろう」とする「ゲートウェイ理論」の予測と反して「横ばいであり有意な差異がない」と結論づけています。つまり、大麻の使用からよりハードなドラッグへの移行は確認出来なかったという事です。

「今後の課題は、大麻の使用率とアルコール及びタバコの使用減少率が、観察対象者が合法的にこれらの物質に成人として購入できる法的年齢に達するにつれて持続するかどうか、または変化するかをモニタリングすべき」だと締めくくっています。

研究の制限事項の1つとして、アメリカでは21歳未満の人は法的にアルコールやタバコを購入できないという点ですが、他で行われた似たような調査で、少なくともオピオイドなどの物質に関しては、大麻の代替効果が示唆されています

例えば、今月公開された【International Journal of Mental Health and Addiction】の研究によれば、医療用大麻の合法化は非処方箋の医薬品オピオイドの使用頻度を「低下」させるとされています。

同じく2023年8月に連邦政府の資金で行われた研究結果で、大麻は非処方箋オピオイドの渇望を著しく減少させるという結論が出され、合法的な大麻へのアクセス拡大が、オピオイド中毒を防ぐより安全な代替手段となり得る可能性を示唆しました。

先月発表された別の研究では、CBD製品へのアクセスがオピオイドの処方箋を大幅に減少させ、州ごとの処方箋売上が6.6%~8.1%減少しました

一方、今年の夏に発表された報告書では、医療用大麻の使用が疼痛レベルの低下とオピオイドおよび他の処方薬への依存の減少と関連していました。また、アメリカ医学会(AMA)が2月に公表した別の報告書では、長期間医療用大麻を続けた慢性疼痛患者が処方されたオピオイドの量が著しく減少したと結論しました。

参考文献

・https://journals.scholarsportal.info/details/15571874/v21i0004/2077_pciaaccrrapd.xml

https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/02791072.2023.2282515

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