EU:麻のTHC含有率の上限が0.3%に引き上げられ方向へ

EU:麻のTHC含有率の上限が0.3%に引き上げられ方向へ

ヘンプ(工業用の麻)に含まれるTHCの許容量の変更が欧州議会で投票され、欧州の麻農家とCBD業界にとって大きな勝利の一日となりました。スイスのような国(上限1%)に比べればまだ低いですが、今回のTHC規制の引き上げはEUの大麻に対する方針が緩み始めていると見れるでしょう。

ヨーロッパのヘンプ農家は、かなり長い間、この変化のために戦ってきました。何年も前に制定されたTHCの上限が0.2%であったために、使用可能なヘンプのストレインが少なく、収穫しても出荷できない場合もありました。欧州議会がその上限を0.3%に引き上げることを、共通農業政策改革に含むことに決めましたが、それが今後確実に採決するかはわかりません。

0.2%はどこから来たのでしょうか?


EUで栽培されるヘンプのTHC制限値が最初に設定されたのは1984年で、当時は0.5%とされていました。これは1970年代に0.3%に下げられました。0.3%が低THCの大麻と高THCの大麻を分ける基準でした。これが1999年には0.2%に下がり、低THCの工業用大麻の畑で高THCの大麻が栽培されないようにすることが目的でした。THC制限を増やす提案は長年、農家がプッシュしてきた事案であり、決して新しい事ではありません。

THCの規制値が0.3%に引き下げられた1970年代から、さらに0.2%に引き下げられた1999年までの間、ヨーロッパでは大規模な有害な問題もなく、大麻のTHC規制は0.3%で機能していました。つまり、この基準は少なくとも20年前から存在していたということであり、それが今になって議論されたり、0.2%から0.3%への引き上げに反対派の意見が、人々やビジネスへの悪影響を恐れていることに基づいているというのは、信憑性にかけます。

ヨーロッパがTHCの制限を、すでに何年も完璧に機能していたレベルに引き上げないことについての議論を行うときに、私たちは歴史から学ぶことができない、あるいは歴史を全く信用できてないという事が浮き彫りになります。大麻は何千年もの間、いつ、どこで、どのように使用されてきたのか、多くの証拠があります。しかし、この歴史はいわゆる「専門家」によって無意味であるかのように扱われており、アンチが資金提供する調査研究が最たるものと論じます、そうでない場合が多いのにです。

なぜこれが重要なのか


大麻草のことをよく知らない人は、THCは必要に応じて簡単に除去できると思っているかもしれません。残念ながらそうではありません。それだけでなく、CBDはTHCに比例して上昇することが多いので、多くのヘンプの系統が栽培不可とされています。0.3%まで上げたからといって、すべてを包括するわけではありませんが、より多くの種類のヘンプを育てることができるようになるでしょう。

引き揚げは決定事項なのか

残念ながら、そうではありません。欧州議会が投票を行ったことは素晴らしいことですが、決定は議会以外の承認を必要とします。欧州の法律の採択や改正の方針は、3つの異なる機関が承認する必要があります。先週の採決は、法案を可決するためではなく、単に共通農業政策改革案に対する議会の意見を確立するためのものだったのです。

実際に発効させるためには、さらに2つの機関が承認しなければいけません。欧州連合理事会と欧州委員会である。この3つの機関は、11月中旬に農政改革に関する交渉を開始する予定です。

最後に

欧州産業用ヘンプ協会は、議会での投票を一つの勝利と見ており、ある意味ではそうですが、終わりではありません。他2つの機関が、この変更は必要無いと判断した場合は、否決されてしまいます。今回の投票は、まだ結末を知ることができない長い長い戦いの足がかりに過ぎないのです。

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